12月になると、街にはイルミネーションが輝き、クリスマスソングが流れ始めます。これほど大きなイベントなら、「クリスマスは祝日?」「会社や学校は休みになるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、日本では12月25日のクリスマスも、12月24日のクリスマスイブも国民の祝日ではありません。2026年12月25日は金曜日ですが、基本的には通常の平日です。
ただし、日本の12月25日には興味深い歴史があります。かつてはクリスマスとは別の理由で休日だった時期があり、1948年に現在の祝日制度を作る過程では、クリスマスを意識した休日案も検討されました。
この記事では、2026年のクリスマスが休みになるのか、日本で祝日になっていない理由、昔の12月25日と海外の制度について分かりやすく解説します。
クリスマスは日本では祝日?
日本の国民の祝日は、「国民の祝日に関する法律」、いわゆる祝日法で定められています。しかし、同法が定める祝日の中に12月25日はありません。
そのため、クリスマスだからという理由だけで会社や学校、役所が休みになるわけではありません。内閣府が公表している国民の祝日の一覧を見ても、現在の日本には12月の祝日がありません。
ただし、「国民の祝日ではない=誰も休めない」という意味ではありません。勤務先が独自に休業日を設けている場合や、有給休暇を取った場合は休めます。学校も地域や学校によっては、すでに冬休みに入っていることがあります。
逆に、国民の祝日であっても、医療、交通、飲食、小売などの仕事に就いている人が必ず休めるとは限りません。国民の祝日であることと、一人ひとりが実際に休めることは別の問題です。
2026年12月25日は金曜日
2026年のクリスマスは、12月25日金曜日です。
土日休みの人にとっては週末の直前ですが、25日が祝日になるわけではないため、通常は3連休にはなりません。休みたい場合は、勤務先の休日制度や有給休暇を確認する必要があります。
国の行政機関についても、12月25日は法律上の休日ではありません。「行政機関の休日に関する法律」で年末年始の休日とされているのは、12月29日から翌年1月3日までです。
クリスマスイブの12月24日も祝日ではない
12月24日のクリスマスイブも、日本では国民の祝日ではありません。2026年12月24日は木曜日で、法律上は通常の平日です。
日本では24日の夜にパーティーや食事を楽しむ人も多いため、25日より24日のほうが「クリスマスらしい日」と感じられることがあります。しかし、カレンダー上は24日も25日も祝日ではありません。
土日と重なっても振替休日は発生しない
12月25日が土曜日や日曜日になれば、土日休みの人は結果として休めます。ただし、それはクリスマスだからではなく、通常の休日と重なったためです。
国民の祝日が日曜日と重なった場合には振替休日が設けられますが、クリスマスは国民の祝日ではないため対象外です。12月25日が日曜日になっても、翌26日が祝日法による振替休日になることはありません。
日本でクリスマスが祝日ではない理由
制度上の答えは、「祝日法に定められていないから」です。
現在の祝日法は1948年7月20日に公布・施行されました。制定時に国民の祝日となったのは、元日、成人の日、春分の日、天皇誕生日、憲法記念日、こどもの日、秋分の日、文化の日、勤労感謝の日の9日です。
内閣府によると、当時の祝日選定では、次の2点が基準とされました。
- 新憲法の趣旨に沿うこと
- 国民全体が容易に納得し、参加できること
クリスマスはキリスト教に由来する行事です。イエス・キリストの降誕を記念する重要な日ですが、歴史的にイエスが12月25日に生まれたと確認されているわけではありません。
現在の日本では宗教的な意味を意識せず、季節のイベントとしてクリスマスを楽しむ人も多いでしょう。しかし、祝日制度が作られた当時は、特定の宗教に由来する日を国民共通の休日にすることの是非が、重要な論点になりました。
昔の日本では12月25日が休日だった
現在の日本では平日の12月25日ですが、かつては休日だった時期があります。ただし、クリスマスを祝うためではありません。
大正天皇は1926年12月25日に崩御しました。その翌年の1927年に公布された「休日ニ関スル件」という勅令により、12月25日の「大正天皇祭」が休日に定められました。
大正天皇祭は、大正天皇をしのぶ皇室の祭典です。キリストの降誕を祝うクリスマスとは、日付が同じという以外に直接の関係はありません。
内閣府の説明では、この勅令は1947年12月31日限りで効力を失ったと考えられ、1948年7月に施行された祝日法の附則によって廃止されました。
したがって、12月25日が実際に大正天皇祭の休日だったのは、1927年から1947年までです。「昔の日本ではクリスマスが祝日だった」と説明するのは誤りですが、「昔はクリスマスと同じ日付が別の理由で休日だった」という話は事実です。
1948年にはクリスマスを意識した休日案が検討された
戦後、新しい憲法のもとで祝日制度を作り直す際には、多数の候補が検討されました。その中には、12月25日のクリスマスも含まれていました。
審議資料に「クリスマス」が登場
1948年2月3日の衆議院文化委員会では、関係機関から寄せられた候補をまとめた審議資料が紹介されています。その中には、次の記載がありました。
クリスマス、キリスト降誕祭、国際親善日、十二月二十五日
ただし、この資料は正式な政府案ではありません。委員会での検討材料として、関係機関から出された候補を広く集めたものでした。
同年4月2日の衆議院文化委員会でも、祝祭日とは別の「休日」の仮案として、12月25日が残っていました。会議録では「クリスマスという意味を含めての日附」と説明されています。
つまり、クリスマスは名前が一度挙がっただけではなく、祝日法制定に向けた審議の途中まで、休日候補の一つとして実際に検討されていたのです。一方で、正式な政府法案や成立した法律にクリスマスが入ったわけではない点には注意が必要です。
特定宗教の行事を休日にすることへの慎重論
1948年3月19日の衆議院文化委員会では、クリスマスだけを国民全体の祝祭日にすることへの慎重な意見が出されました。
キリスト教にクリスマスがあるように、仏教や神道などにも重要な日があります。その中から特定宗教の日だけを国民共通の祝祭日として採用するのは妥当なのか、という問題提起です。
さらに同年6月18日の参議院文化委員会では、クリスマスやお盆を休日にしてほしいという国民の希望が多かったことを認めながら、休日の制定にあたっては「宗教ということは省いて考えた」という趣旨が説明されています。
したがって、クリスマスが採用されなかったのは、単に「外国の行事だから」「人気がなかったから」という話ではありません。国民全体が共有する休日と宗教との関係を考えた結果、最終的に12月25日は国民の祝日に選ばれなかったと理解するのが適切です。
海外ではクリスマスが公的な休日の国が多い
日本では平日のクリスマスですが、世界では公的な休日にしている国が多数あります。
Pew Research Centerが190の国連加盟国を対象に調べた2026年のデータによると、少なくとも154か国にChristmas Dayの国レベルの公休日があります。多くの国は12月25日に休日を設けていますが、正教会の伝統などにより1月にクリスマスの休日を設けている国もあります。
ただし、キリスト教徒が多い国なら必ず休日になるわけでも、キリスト教徒が少ない国では必ず平日になるわけでもありません。祝日制度には、それぞれの国の宗教、歴史、文化や政治制度が反映されています。
アメリカでは12月25日は連邦祝日
アメリカでは、12月25日のChristmas Dayが連邦祝日です。米国人事管理局が公表している2026年の祝日予定にも、12月25日金曜日がChristmas Dayとして掲載されています。
ただし、これは民間企業を含むすべての人が必ず休めるという意味ではありません。小売店、飲食店、病院、警察など、当日も働く人はいます。
また、アメリカでは連邦祝日が土曜日と重なった場合、多くの連邦職員について前日の金曜日が休日として扱われます。2027年12月25日は土曜日なので、連邦職員の休日予定では12月24日金曜日がChristmas Dayの休日になります。
イギリスでは翌日のボクシング・デーも休日
イングランドとウェールズでは、Christmas Dayに加えて、12月26日のBoxing DayもBank Holidayです。
2026年は12月26日が土曜日のため、英国政府の予定では12月28日月曜日が代替のBank Holidayになります。雇用契約などによって実際の休み方は異なりますが、日本よりクリスマスを中心とした休暇を取りやすい日並びです。
日本では季節イベントとして独自に発展した
日本におけるクリスマスの歴史は、16世紀までさかのぼります。山口県立山口図書館が紹介する記録によると、1552年12月25日に現在の山口市で降誕祭が行われたとされています。
その後、禁教によってキリスト教の行事は表立って行われにくくなりましたが、明治時代にキリスト教が解禁されると、クリスマスを祝う文化も再び広がっていきました。
現代の日本では、ケーキ、プレゼント、イルミネーション、チキンなどを楽しむ季節イベントとして定着しています。日本KFCが全国的なクリスマスキャンペーンを始めたのは1974年です。長年の広告や販売活動は、「クリスマスにフライドチキン」という日本独特のイメージが広まる一因になりました。
日本のクリスマスは祝日ではない一方で、宗教行事だけに限定されない、自由な季節イベントとして独自に発展してきたといえるでしょう。
クリスマスと祝日に関するよくある質問
2026年のクリスマスは休みですか?
2026年12月25日は金曜日ですが、日本では国民の祝日ではありません。勤務先の休業日、有給休暇、学校の冬休みなどに該当しない限り、基本的には通常の平日です。
クリスマスイブは祝日ですか?
12月24日のクリスマスイブも国民の祝日ではありません。2026年12月24日は木曜日です。
昔はクリスマスが祝日だったのですか?
クリスマスが祝日だったわけではありません。1927年から1947年まで、同じ12月25日が「大正天皇祭」という別の理由で休日になっていました。
クリスマスが日曜日なら翌日は振替休日ですか?
振替休日にはなりません。振替休日の対象になるのは国民の祝日であり、クリスマスは該当しないためです。
まとめ
日本では、12月25日のクリスマスも12月24日のクリスマスイブも国民の祝日ではありません。2026年12月25日は金曜日ですが、基本的には通常の平日です。
一方、日本の12月25日には次のような歴史があります。
- 1927年から1947年まで、大正天皇祭として休日だった
- 1948年の祝日法制定過程では、クリスマスを意識した休日案が検討された
- 特定宗教の行事を国民共通の休日にすることへの慎重論などから、最終的には採用されなかった
現在の日本では祝日になっていませんが、クリスマスは季節を代表するイベントとして独自に発展しました。「昔も今もクリスマスが祝日だったことはないが、同じ12月25日が別の理由で休日だった時期はある」と覚えておくと、正確に説明できます。
主な参考資料
- 内閣府「国民の祝日について」
- 内閣府「祝日法制定の経緯」
- e-Gov法令検索「行政機関の休日に関する法律」
- 第2回国会 衆議院文化委員会 第1号・1948年2月3日
- 第2回国会 衆議院文化委員会 第3号・1948年3月19日
- 第2回国会 衆議院文化委員会 第4号・1948年4月2日
- 第2回国会 参議院文化委員会 第7号・1948年6月18日
- Pew Research Center「Which countries have the most – and fewest – public holidays?」
- 米国人事管理局「Federal Holidays」
- 英国政府「UK bank holidays」
- 山口県立山口図書館「明治日本のクリスマス」
- 日本ケンタッキー・フライド・チキン「沿革」